胃がんとは
胃がんは、胃粘膜で発生するがんです。発生から発見可能な5mm以上の大きさになるまで、十数年かかると言われています。進行するにつれて、胃壁の深くへと広がり、その後さらにリンパ節、遠隔臓器へと転移します。
胃がんは初期症状に乏しく、発見の遅れにつながっています。ただ、定期的に胃カメラ検査を行うことで、早期発見が可能です。
胃がんになる原因
胃がんの原因としては、ピロリ菌感染、塩分の摂り過ぎ、喫煙、多量飲酒などが挙げられます。
中でもピロリ菌感染は重大なリスク因子であり、胃がん患者のほぼすべてがピロリ菌に感染していると言われています。ピロリ菌感染は胃・十二指腸潰瘍、慢性胃炎・萎縮性胃炎の原因にもなるため、ピロリ菌検査で陽性だった場合には除菌治療を受けることをおすすめします。
なお、野菜や緑茶は、胃がんの予防として有効と考えられています。
胃がんの症状をチェック!
自覚できる初期症状はあるのか
かなり進行しても自覚症状がほとんど現れません
胃がんの症状としては、胃の痛み、胃もたれ、ゲップなどが挙げられますが、初期にはほとんど自覚されません。つまり「症状に気づいてから受診する」という対応では、胃がんを進行させてしまう可能性が高くなるのです。
胃がんの主な症状

- 胃の痛み
- 胃もたれ
- ゲップ、胸やけ
- 吐き気
- 食欲不振
- 体重減少
- 貧血
- 血便(黒い便)
胃がんの症状が出てからだと
手遅れ?
胃痛や胃もたれがあるからといって、手遅れの胃がんだとは限りません。ただ反対に、症状がないから簡単に治るものもなく、それが胃がんという病気のこわさでもあります。
また、胃がんの症状は胃炎や胃潰瘍と似通っており、そのことで受診を後回しにしてしまうケースもあります。もちろん胃炎や胃潰瘍でも治療は必要ですが、こういった身近な症状を甘く見ず、おかしいなと感じた時には早めに受診する、かつ無症状であっても定期的に胃カメラ検査を受けるといったことが、胃がんの早期発見において重要です。
当院は胃がん検診に
対応しています
大阪鶴橋みう内科・内視鏡クリニックでは、大阪市が行う胃がん検診に対応しております。
大阪市の胃がん検診は、50歳以上の大阪市民の方が対象となります。お気軽に当院にお電話いただき、「大阪市の胃がん検診を希望しています」とお伝えください。

※良性病変と診断された場合の対応は、医師の指示に従ってください。
※胃がん検診の検査は、胃部レントゲン検査(500円)、胃カメラ検査(1,000円)からお選びいただけます。
※胃部レントゲン検査は年度中に1回、胃カメラ検査は2年度に1回、受けられます。ただし、同一年度内に両方の検査を受けることはできません。
胃がんの検査
胃部レントゲン検査
(バリウム検査)
造影剤となるバリウムと、胃を膨らませるための発泡剤を飲んだ状態で、胃のレントゲン検査を行います。
発泡剤の作用によってゲップが出そうになりますが、胃が膨らんだ状態を維持するため、我慢していただく必要があります。
胃カメラ検査
直径5~10cmの内視鏡を、口または鼻から挿入し、食道・胃・十二指腸の粘膜を観察します。粘膜の小さな凹凸、色調、炎症や出血の有無まで、詳しく調べることができます。
胃部レントゲン検査と比べると、精度の高い検査となります。
胃がんの治療
早期発見ができれば、手術ではなく、胃カメラを用いて内視鏡的に治療をすることが可能です。
早期発見は、治療の負担軽減という意味でも大切になります。
内視鏡的治療
比較的範囲が狭い場合、液体を粘膜下層に注入してがん組織を持ち上げ、内視鏡の先から出したスネアという器具で切り取る内視鏡的粘膜切除術(EMR)の適応となります。
広範囲である場合には、液体を粘膜下層に注入した上で、内視鏡の先から出したメスでがんを切除する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が行われます。
外科的治療
進行した胃がんの場合には、開腹手術や腹腔鏡手術が必要になります。
手術では、がん化した胃の一部またはすべてを摘出します。
化学療法
手術の前後などに、内服・点滴による抗がん剤治療が行われます。手術後に再発したケース、遠隔臓器に転移しているケースなどは、化学療法が中心になります。

